森楽スタッフ・S君の不登校から大学合格までのお話

少し前の話になりますが、森楽スタッフの高校三年生

S君の大学進学が決まるまでのお話会を開催しました。


中学3年間の不登校を経験し、現在は通信制高校の3年生。

今回めでたく大学合格を果たし、春には進学が決定したS君。

簡単ですが、今回はその内容をお伝えします!


小学校は毎日通っていたものの、友達はほとんどなく、

毎日図書館に入り浸る、おとなしくてまじめな小学生だったそうです。


中学進学時に引っ越しがあり、友達も顔見知りもいない学校に入学。

しばらくすると妹が先に不登校になり、それを見て自分も学校に行く事をやめたそうです。


行かなくてもいい。


その選択肢を知らないまま、無理して通っていたんですね。

学校に行かなくなってからは、朝起きて、家族で朝食を食べ、YouTubeを見て、寝る。

そうやって過ごすだけの日々。

そんな毎日に嫌気がさすこともあったそう。。


ご両親も不登校になったS君の事で悩んでいた様ですが、

「その不安は自分にも伝わるし、それで自分もまた落ち込んだりした」とS君。


でも、だんだんと月日が経つにつれ

両親からは「(不登校でも)まあいいか」と言ってもらう日が訪れます。

お互いに不安感や心配は減っていき、

それとともにだんだんS君も体調が整い元気になっていったそうです。


そして中学を卒業後は、通信制高校に進学を決めたS君。

「周りに高校進学しない人はほとんどいないし、進学以外の道ってあまり考えつかなかった」との事。


3年間の引きこもりから、いきなり全日制高校に進学するのも不安という思いなどもあり

通信制高校を候補に親子で見学しながら決めたそうです。


質問タイムでは「高校受験」についての話に

保護者の方々からたくさんの質問が飛び交いました!

親としては細かい部分まで、とても気になりますよね。

また、S君が引きこもりから復活したきっかけはあったのでしょうか?

S君は「落ち込むところまで落ち込んで、一周回って突き抜けた。やったるでー!!という気持ちになった」と話していました。

それを見守るご家族の温かさも、お話の節々から感じられました。


今、同じように家を出られない子がいたらどんな声をかける?の問いに

「なんとかなる。その子の性格やタイプによるけど

どこかへ行きたくても出られない子もいれば、純粋に家に居るのが好きな子もいる。

オンラインゲームをする子は、外と繋がる手段だったりするし

ゲームが暇つぶしになっている子もいるだろうし。

でもなんとかなる、何事もいい方向に向かう可能性がある」

と答えてくれています。


中学卒業後は、通信制高校(通学有りのコース)に入学したS君。

オンラインの授業等もあり、入学後いきなり自分で授業時間を組み立てて参加することは難しそうに感じますが、S君は問題なく出来たと話してくれました。

でも、出来ない人もいると思う、と。

そういう点で、通学有りのコースは分からない事や困った事を

その場ですぐ先生に相談できるのが利点のようです。


S君、高校では政治や環境政策などの勉強に興味を持って取り組んできたのだとか。

なんだか難しそうに聞こえますが、中学3年間一切勉強をしてこなかったSくんが

「それでも授業にはついていける」

と話してくれました。


自身が興味を持ったことで、自然と取り組みも前向きになっていきます。

授業での進行役のような役割も担い、そこから友人も増えていき

S君の高校生活は活気を帯びていきます。

学校の友人たちと一緒に出掛けたり、アルバイトをしたりと活動も広がります。


S君は、部活動で「政治部」という所に参加していました。

その活動の中で、地域との関わりなどの社会学にも興味を持つようになったそうです。

そこで地域社会についての勉強が出来る大学への進学を目指します。


3年生になると総合型選抜入試の対策として、面接練習や小論文なども行ったそうです。

S君の通う高校では1年生の時から、

「進学に向けて、早めに学校見学に行っておくといい」

という話をされていたそうなので、なんとなく大学受験への心構えも出来ていたのかも知れませんね。


そして見事、合格!!

春からは一人暮らしを始めるそうです!!

S君、将来は記者になりたいのだそう。

「やりたいことは変わるかも知れないけど、様々な価値観の人と関わりたい、という思いは変わらないと思う」

と、芯のある頼もしい姿に感動しました。


S君の通う通信制高校では、色々なことに挑戦できる環境が整っていたようですが

「やろうと思わないと(行動を起こさないと)ほとんど何も始まらない」そうです。

でも「行動さえ出来れば、どこでつまずいても挽回できる」というお話でした。


引きこもっていた時期がまるで嘘のようですね!

本人の「やりたい」という気持ちは、まさに原動力。

とてつもないパワーを秘めています。

これからも森楽は

子どもたちの「やりたい」に寄り添っていきたいな

と感じる、とても温かく優しい空気につつまれたお話会でした。


S君、ありがとうございました!!


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